工場勤務から介護の世界へ転職した話

キャリア・転職

こんにちは。今日は、私自身のこれまでの仕事の経験と、介護の世界に飛び込むまでの道のりについて書いてみました。これから介護職を目指す方や、転職を考えている方に少しでも参考になれば嬉しいです。

工場勤務時代 ― 15年間の積み重ね

私が最初に就いたのは、介護と全く関係ない「工場勤務」でした。高校を卒業してすぐに入社し、毎日同じような作業を繰り返す日々。ライン作業や機械の調整、検品、梱包など、その時々で任される仕事は変わりましたが、どれも体力勝負で、一日が終わるとぐったりすることも多かったです。

けれども、その中には「手を動かすことで形になる達成感」や「仲間と協力して一つの製品を作り上げる楽しさ」もありました。気がつけば、15年という長い年月を工場で過ごしていました。振り返ると、根気強さや体力面での強さは、この時代に培われたものだと思います。

突然の事務職への異動

そんなある日、職場の都合で「事務職」へ異動することになり、工場の現場からデスクワークへ。慣れ親しんだ作業服からスーツやオフィスカジュアルに着替え、机に座って一日中パソコンに向かう生活へとガラリと変わりました。

最初は「新しいことに挑戦できるかもしれない」と少し前向きな気持ちもありました。しかし、実際にやってみると、工場勤務とはまったく違う仕事内容に戸惑うばかり。慣れないパソコン作業や資料作成、人と調整する仕事に神経を使い、次第にストレスを感じるようになっていきました。

さらに、人間関係も思った以上に複雑でした。工場では仲間同士で冗談を言い合いながら和気あいあいと仕事をしていましたが、事務職の環境は上下関係や派閥など、気を遣うことが多く、空気が重いこともしばしば。次第に居心地の悪さを感じるようになり、「自分には向いていないのかもしれない」と悩むようになりました。

退職という決断

悩みながらも何とか続けていましたが、心身ともに疲れ切ってしまい、最終的には退職を選びました。15年以上働いた会社を辞めるのは大きな決断でしたし、不安も山のようにありました。

「この先、自分はどうやって生きていくのだろう」
「新しい仕事なんて見つかるだろうか」

そんな気持ちを抱えながら、しばらくは気持ちが整理できずに過ごしました。

ハローワークで介護と出会う

退職後、次の仕事を探すためにハローワークへ通い始めました。求人票を見ながら、どんな仕事なら自分に合うのかと考えていましたが、なかなかしっくりくるものがありません。工場の経験はあるけれど、また同じ職種に戻る気にはなれない。事務職は自分には向いていないことがわかった。

そんな中、ふと目に入ったのが「介護職員初任者研修」の案内でした。説明を受けてみると、未経験でも一から学びながら働けること、そして「人の役に立てる」仕事であることに惹かれました。

正直、最初は「自分にできるだろうか?」という不安が大きかったです。体力的に大変そうなイメージや、専門的な知識が必要なのではないかという思いもありました。でも同時に、「人と関わる仕事をしてみたい」「ありがとうと言われるような仕事をしてみたい」という気持ちが湧いてきたのです。

スクールでの学びと初任者研修

思い切って、介護の勉強を始めるためにスクールに通うことにしました。久しぶりに机に向かって勉強するのは緊張しましたが、同じように介護未経験からスタートする仲間がいて、励まし合いながら学ぶことができました。

授業では、介護の基礎知識や法律、倫理などの座学に加え、実技の練習もありました。ベッドメイキングや車いすの介助、移乗の仕方、排泄や入浴のサポートなど、実際の現場を想定した演習はとても勉強になりました。最初はぎこちなかった動作も、繰り返し練習することで自然と身につくようになり、少しずつ自信も出てきました。

また、先生が教えてくれた「介護は技術だけでなく、気持ちを伝えることが大切」という言葉は、今でも心に残っています。

そして無事に修了試験に合格し、「介護職員初任者研修」の資格を取得することができました。その時は、大きな達成感と同時に、新しい人生のスタートラインに立ったような気持ちになりました。

介護の仕事に就いてみて

実際に介護の現場に立つと、学んできたことを活かしながらも、日々新しい発見の連続でした。利用者さんの小さな変化に気づくことの大切さ、コミュニケーションを通じて心を通わせる難しさ、そして何より「ありがとう」という言葉の重み。

体力的に大変な日ももちろんありますが、工場勤務で培った体力や根気がここで役立っていると感じます。人間関係で悩んだ時期もありましたが、逆にその経験が「人とどう接するか」を考えるきっかけになり、今の仕事に活かされていると思います。

まとめ ― 新しい一歩を踏み出して

こうして振り返ってみると、工場勤務から事務職、そして介護職へと進んできた私の道のりは決して順風満帆ではありませんでした。それでも、一つひとつの経験が今の自分を作っていると感じています。

介護の仕事は決して楽ではありませんが、利用者さんの笑顔や「ありがとう」の言葉に支えられながら、これからもこの道を歩んでいきたいと思っています。

もし今、転職や新しい挑戦に悩んでいる方がいたら、自分の経験をもとに伝えたいことがあります。
「過去の経験は決して無駄にならない」ということです。私自身、工場や事務での経験が今の介護の仕事に必ずつながっていると実感しています。

人生の中で思いがけない転機は訪れるものです。その時に少し勇気を出して踏み出すことで、新しい道が開けるかもしれません。

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