
しっかり寝たはずなのに疲れが残る。
目覚ましを止めても起き上がれない、日中になると集中力が落ちてきたり、気が付けばボーっとしている。こんな経験ありませんか?筆者は何度もあります。
「睡眠はしっかりとっているのに・・なんで?」というとき、原因になっていることが多いのは
”睡眠の質の低下”です。
成人の睡眠時間は約8時間としっかり眠っているのですが、浅い眠りが続けば脳も体も十分に回復できません。
では、【質に高い睡眠】とは具体的にどんな状態なのでしょうか?
今回は、
- 睡眠の仕組み
- 質の高い睡眠の条件
- 睡眠の質を下げてしまう習慣
- 日常で実践できる具体的な対策
一つひとつ紹介していきます。
「自分の睡眠はここがもったいなかったのかも」と気付けるポイントが見つかるはず・・(‘ω’)ノ
【質の高い睡眠】とはなにか?

まず最初に、【質の高い睡眠】とは何かを整理してみましょう。
睡眠の目的は、「身体」「脳」「心」を回復させること
- 寝つきがよく
- 夜中に何度も目が覚めず
- 朝にスッキリ起きられる
この3つを満たしている状態が「良い睡眠」と言われています。
筆者は、3つとも当てはまらなかったです。
「寝つきが悪い・夜中に目が覚め・朝は体がだるい」の状態です(/・ω・)/
ですが、質の良い睡眠にはもっと重要なポイントがあります。
それは・・
睡眠の本当の目的は「身体・脳・心」を休ませ、整えることだということです。
サウナみたいですね。
身体の修復:筋肉・内臓・免疫のメンテナンス
ノンレム睡眠の時間帯には「成長ホルモン」が多く分泌されます。
成長ホルモンと聞くと”子供の身長が伸びる”イメージがありますが、大人にとっては「修復ホルモン」と考えると分かりやすいかもしれません。
- 日中に酷使した筋肉の修復
- 疲れた内臓のメンテナンス
- 免疫細胞の働きをサポート
といった役割を担っています。
深い眠りが足りていないと
「いつも体が重い」「疲れが抜けない」と感覚に繋がりやすくなります。
脳のリセット:情報の整理とゴミ出し
私たちの脳は、起きている間はずっと情報を受け取り続けています。
仕事・家事・人間関係・SNS・・。
1日が終わるころには、頭の中には膨大な情報がいっぱいになっています。
レム睡眠の時間帯は、この情報を整理する時間です。
- 必要な記憶を残す
- 不要な情報を捨てる
- 感情を落ち着かせる
この「脳の夜の片づけ」が行われることで、
翌朝スッキリした頭で一日をスタートできるようになります。
逆に、このプロセスが不十分だと、
- ぼーっとする
- 集中力が続かない
- 物忘れが増える
といった不調につながっていきます。
心の安定:感情の整理・ストレスのリセット
睡眠中、特にレム睡眠では、
その日に感じた感情の処理も行われていると言われています。
- 嫌だったこと
- 不安に思っていること
- モヤモヤした気持ち
これらを睡眠中に「いったん棚おろし」することで、
翌日への切り替えができるようになります。
もし睡眠の質が悪くなると、
- 理由もなくイライラする
- 落ち込みやすくなる
- ちょっとしたことで不安になる
といったメンタル面の不調が出やすくなります。
“寝ているのに疲れが取れない”メカニズム
「ちゃんと寝たはずなのに…」と感じるとき、
裏側ではどんなことが起こっているのでしょうか。
ここでは、質の低い睡眠がもたらす影響を
少し掘り下げて見ていきます。
深い眠りの不足 → 慢性的な疲労感
深いノンレム睡眠が足りないと、
身体の修復作業が追いつきません。
- 筋肉のこわばりが残る
- 肩こりや腰の重さが続く
- いつも体がだるい
といった状態になりやすくなります。
「寝れば治る」が通用しないのは、
修復の“時間”ではなく“質”が足りていないからです。
レム睡眠の乱れ → メンタルが不安定に
レム睡眠の質が落ちると、
感情の整理がうまくいかなくなります。
その結果、
- 気持ちの切り替えができない
- ずっと同じことで悩んでしまう
- マイナス思考になりやすい
など、“心の疲れ”が取れにくい状態になります。
厚生労働省のサイトでも睡眠の質について紹介されています。
ホルモンバランスの乱れ → 太りやすさ・肌荒れ
睡眠不足や浅い眠りは、
食欲をコントロールするホルモンにも影響します。
- 食欲が増えやすくなる
- 夜中になにか食べたくなる
- 甘いものや脂っこいものを欲しやすくなる
また、成長ホルモンが十分に分泌されないことで、
肌のターンオーバーも乱れ、
肌荒れ・くすみ・乾燥などにもつながります。
正しく眠れるだけで“生きやすさ”が変わる
逆に言えば、睡眠の質を高めるだけで
心と体に良いことがたくさん起こります。
ここではそのメリットを、もう少し具体的に見ていきましょう。
朝起きるのがラクになる
質の高い睡眠が取れていると、
目覚ましが鳴る少し前から自然に浅い眠りに移行し、
スッと起きやすくなります。
- 起きた瞬間から頭が動く
- 「あと5分…」が減る
- 朝の支度に余裕ができる
朝の余裕は、一日の余裕そのものです。
仕事や勉強の効率が上がる
脳の疲れがリセットされることで、
- 集中できる時間が長くなる
- 情報が頭に入りやすくなる
- ミスが減る
といった効果が期待できます。
同じ時間働いても、
「睡眠の質が高い人」と「低い人」とでは
仕事の出来が大きく変わってしまうのも納得です。
感情の振れ幅が小さくなる
よく眠れていると、
物事に対して冷静に対処しやすくなります。
- イラッとしたときに一呼吸置ける
- 悩みごとに飲み込まれにくくなる
- 前向きに考えやすくなる
“心の土台”を整える意味でも、睡眠はとても大事です。
美容と体型管理にうれしい効果
しっかり眠っている人ほど、
- 肌が整っている
- むくみにくい
- 不必要な間食が減る
といった傾向が見られます。
「ダイエットの基本は睡眠」と言われるのも、
ホルモンバランスや代謝に深く関わっているからです。
良かれと思ってやっていることが逆効果になっているかも
ここからは、
“やってしまいがちだけど、実は睡眠の質を下げてしまう行動”を
ひとつずつ見ていきます。
不規則な生活リズム
- 寝る時間が日によってバラバラ
- 休日はお昼まで寝てしまう
- 平日と休日で起床時間が何時間も違う
こんな生活を続けていると、
体内時計が乱れて「眠るべき時間」に眠れなくなってしまいます。
体内時計がズレていると、
どれだけ長く布団にいても深い眠りに入りづらくなります。
● ② 寝る前のスマホ・タブレット・PC
布団に入ってから、ついスマホを見てしまう…。
多くの人がやっている習慣ですが、
これは睡眠の質を大きく下げる行動です。
- ブルーライトが脳を「昼間」だと勘違いさせる
- SNSやニュースの情報で頭が興奮状態になる
- 「もうこんな時間!寝なきゃ」と焦りが増す
これらが重なってしまい、
入眠までの時間がどんどん伸びてしまいます。
寝る直前の食事・カフェイン・アルコール
遅い時間の食事
→ 胃腸が働き続け、身体が「休むモード」に入れない
カフェイン
→ 摂取してから数時間、脳を覚醒させる
アルコール
→ たしかに寝つきは良くなるものの、深い睡眠を削ってしまう
「お酒を飲まないと眠れない」状態は、
実は睡眠の質を悪化させる危険なサインでもあります。
ストレスや不安を抱えたまま布団に入る
不安やイライラを抱えたままだと、
布団に入っても頭の中がずっと動き続けてしまいます。
- 仕事のことを考え続けてしまう
- 将来の不安をぐるぐる思い出す
- 寝る前に嫌だったことを振り返ってしまう
これらはすべて、
「寝るスイッチ」をオフにできていない状態です。
寝具や環境が合っていない
- 枕が高すぎる / 低すぎる
- マットレスが硬すぎる / 柔らかすぎる
- 部屋が暑い・寒い
- 近所の音がうるさい
- カーテンが薄くて朝日ですぐ目が覚める
小さな違和感でも、
毎晩続けば睡眠の質にじわじわ影響していきます。
科学的にも効果が高い“生活習慣の整え方”
いよいよここからは、
「じゃあ、どうすればいいの?」という部分を
一つひとつ具体的にお話ししていきます。
寝る時間・起きる時間を“だいたい一定”に保つ
理想は毎日同じ時間ですが、
まずは「±1〜2時間以内」を目標にしてみましょう。
- 平日と休日で起きる時間をあまり変えない
- 夜更かしする日を“例外”に抑える
それだけでも、
体内時計はかなり安定しやすくなります。
夕食は寝る3時間前までに終える
遅い時間にお腹いっぱい食べると、
身体は「消化」を優先してしまいます。
- 夜は少し軽めにする
- 脂っこいものは控えめに
- 小腹が空いたら消化の良いものを軽く
「胃腸も一緒に寝かせてあげる」イメージで。
朝、起きたらまず光を浴びる
体内時計をリセットする一番のスイッチが“光”です。
- カーテンを開ける
- ベランダに出て深呼吸
- 5〜15分ほど外の光を浴びる
これだけで、
夜に自然な眠気が来やすくなります。
寝る前の“入眠ルーティン”を決める
毎晩同じ行動を繰り返すことで、
脳が「そろそろ寝る時間だな」と理解しやすくなります。
例えば…
- 白湯を一杯飲む
- 軽く体を伸ばす
- 明かりを少し暗くする
- スマホを別の場所に置く
- 紙の本を10分読む
特別なことをする必要はなくて、
「毎晩同じ流れ」が大切です。
● ⑤ スマホとの付き合い方を変える
いきなり「寝る前スマホ禁止!」はハードルが高いので、
まずは「寝る30分前はスマホを見ない」から始めてみましょう。
- 充電器の位置をベッドから離す
- 目覚まし用にしているなら時計に変えてみる
- スマホはリビングに置いて寝室には持ち込まない
物理的に距離を取ると、意外とすんなりやめられます。
寝具と部屋の環境を整える
ここは“自己投資ポイント”です。
- 枕の高さや硬さを見直す
- マットレスの買い替えを検討する
- 室温は18〜22℃
- 湿度は40〜60%
- 遮光カーテンで光をコントロールする
一気に揃えなくても、
「枕 → カーテン → マットレス」のように
少しずつ整えていくだけでも、眠りは変わっていきます。
● ⑦ 軽い運動を生活に取り入れる
運動は、
「寝つき」と「深さ」の両方を改善してくれる心強い存在です。
- 通勤で一駅分多く歩く
- お風呂上がりにストレッチ
- 休日に軽いウォーキング
激しいトレーニングは必要ありません。
“ちょっと体を動かす習慣”があるだけで、
夜の眠りはすこしずつ深くなっていきます。
改善の第一歩は“今の状態を知ること”
ここまで読んできて、
「私、どこができていないんだろう?」と思った方も多いはず。
そんなときに役立つのが、
簡単なセルフチェックです。
睡眠セルフチェックリスト
- 布団に入ってから眠るまで30分以上かかる
- 夜中に2回以上目が覚める
- 朝起きた瞬間からすでにだるい
- 日中、我慢できない眠気がある
- 休日になると昼まで寝てしまう
- 寝る直前までスマホを見ている
- 寝ながら動画やSNSを見て、そのまま寝落ちする
当てはまる数が多いほど、
睡眠の質を見直す余地があると言えます。
記録をつけてみると「パターン」が見えてくる
- 何時に寝て、何時に起きたか
- スマホをどのくらい触ったか
- 寝る前に何をしていたか
- 日中の眠気・気分の状態
こういったことをメモしておくと、
「この行動をした日はよく眠れていないかも…」
と、自分のクセを発見しやすくなります。
睡眠の質が変われば、“毎日の生きやすさ”が変わる
ここまで、「質の高い睡眠」について
少しじっくりめにお話してきました。
最後に、ポイントを簡単に振り返ります。
- 睡眠の目的は「身体・脳・心」の回復
- 質の低い睡眠は、疲労・メンタル・ホルモンに悪影響
- 質の高い睡眠は、朝の軽さ・集中力・美容・体型まで支えてくれる
- 不規則な生活・寝る前スマホ・遅い食事・ストレス・環境の悪さは大きな敵
- 小さな習慣の見直しで、睡眠の質は確実に変えられる
いきなり全部を完璧にしようとしなくて大丈夫です。
まずは、
- 寝る前30分はスマホを見ない
- 朝、カーテンを開けて光を浴びる
- 寝る時間と起きる時間を“だいたい”そろえる
このあたりから、少しずつ試してみてください。
あなたの睡眠の質が上がれば、
「なんだか毎日しんどい」が、
「前より少しラクになったかも」に変わっていきます。
その小さな変化の積み重ねが、
これからの自分の心と体を守ってくれるはずです。



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